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…… 暖  房 ……

اَلسَّلامُ عَلَيْكُمْ

アッサラームアレイコム
 (あなたに平安を)


 今冬はカシュガルも暖冬でした。
 やがて春の訪れを告げる春一番ならぬ「砂嵐」が吹き荒れて、どこもかしこも砂だらけにしてしまい、外出すれば砂まみれになります。
 
 二階屋の妻宅は、暖房には石炭ストーブを使用しますので、冬中、寒さと石炭ストーブに翻弄されます。

 平屋・二階屋はどこでも安上がりな石炭ストーブを使いますが、割高な電気ストーブは、高層集合住宅のセントラルヒーティング稼働前後に応急的に使われたりもします。

 石炭ストーブは石炭の置き場所確保や、紙と薪で火を熾して石炭をくべたり、燃え滓を処分したりと煩瑣なのですが、安いが一番、石炭燃焼による二酸化硫黄、窒素酸化物、煤塵などの有害汚染物質発生、地球温暖化の原因となる二酸化炭素排出、それらによる環境・健康被害などの問題も何処吹く風のように見えます。

 日本でも安上がりな石油暖房は、石油のストックや注ぎ足したり匂いがしたりとかのデメリットもありますが、多少は我慢するしかありません。

 上質の石炭は100㎏=84元(1元=約16円)です。
 暖冬だった今冬、妻宅では春までに1500㎏を使い切るようです。

 実は、妻が石炭ストーブを使うのは8年振りです。
 98年、結婚後の住まいは、新疆ウイグル自治区首都ウルムチのマンションでしたので、冬はセントラルヒーティングの快適暖房でした。
 02年、日本に移ってからも各種電気暖房でしたので、スイッチをオンオフするだけで何も煩わしさはありませんでした。
 
 64年(東京オリンピック年)前後数年、私が神戸市内の小学生だった頃、冬場、各教室に設置してあった暖房用の石炭ストーブは、息子が前学期在籍したカシュガルの小学校に設置してあるのと同じ様なものでした。 (息子は今学期よりセントラルヒーティング完備の小学校在籍)

 私が育った60年代の日本と息子が育っている現在のカシュガルがだぶって見えます。
 
 カシュガルの冬期は11月中旬から3月中旬の4ヶ月間(ウルムチは10月中旬から4月中旬の半年間)で、つまり、セントラルヒーティングが稼働する期間です。

 セントラルヒーティング代は各戸の広さによって決まります。
 居住面積1㎡当たり20元で、昨年85㎡のマンションを購入した友人は、一冬(4ヶ月)1700元支払ったとのことです。

 高層集合住宅やビルでは、セントラルヒーティングの温水暖房ですから、室内だけでなく階段踊り場も冬中暖かく快適に過ごせます。
 屋内では夏場と変わらない生活ができますし、第一、煩わしい石炭ストーブを扱う苦労をせずに済みます。

 しかし、セントラルヒーティング完備の近代的な高層集合住宅では決して味わうことができないのが、(3)でご紹介しました古のカシュガルを肌で感じることができる中庭のある暮らしです。

 セントラルヒーティングと言っても、ボイラー燃料は石炭ですので、冬中、石炭燃焼による環境汚染物質や地球温暖化ガスが蔓延することになります。

 因みに、ウルムチ市は、中国で大気汚染が最もひどい都市の一つに挙げられます。
 石炭燃焼で有害汚染物質が舞い上がっている空は、冬中、曇天で黒褐色の雪が積もっています。

 ウルムチに居るだけで健康被害を受けますので、健康被害実態調査や予防・救済対策が急がれます。



写真1: 石炭売り。搬送してくれる
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写真2: 8年振りの石炭ストーブに閉口する妻
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写真3: 息子が前学期在籍した小学校の教室。石炭ストーブがあっても寒い
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江上鶴也
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by oghuzkahan | 2007-03-08 21:56
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