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…… 手 洗 い ……

اَلسَّلامُ عَلَيْكُمْ

アッサラームアレイコム
 (あなたに平安を)


 ムスリム(イスラーム教徒)は食事前に手を洗わなければなりません。
 また、礼拝前の清め洗浄は当然のことながら、トイレの後は必ず手を洗わなければなりません。

 ムスリムにとって手を洗うことは、汚れを洗い落とす行為だけではなく、清めの儀礼でもありますので、手を洗わなければ、即ち、アッラーに背くことになります。

 ウイグルのお宅へ食事に招待されるか、食事時に訪問しますと、先ず、手を洗うように促されます。
 男性客には家人の男性が(女性客には女性が)水差しの水を注いでくれますので、両手で水を受けます。(※写真1)

 もてなしの意を込めて、水差しにはぬるま湯が入れてあります。
 手水湯を3回注いでくれますので、洗い終わると渡してくれるタオルで拭きます。

 ウイグルは滴が飛び散るのを嫌いますので、手を洗い終わると振って滴を落とす癖がある日本人は、ウイグル家庭訪問時には要注意です。


 日本ではインフルエンザやノロウィルスの感染予防に手洗い励行を呼び掛けていますが、カシュガルの感染症と言えばウィルス性肝炎が挙げられ、何年か置きに蔓延しています。

 肝炎流行時は学級閉鎖になったりしますので、衛生面に注意を喚起する、肝炎撲滅キャンペーンが繰り広げられます。(※写真2)
 もしかしたら、ウイグルの癌罹患で、肝臓癌の占める比率が高いかも知れません。

 20年位前の肝炎流行では、劇症肝炎で亡くなった患者もありました。
 当時、カシュガル中の飲食店が数日から1週間以上閉鎖になりましたので、ラマダーン(断食月、イスラム暦第9月)よりも街中がひっそりとしてしまい、私の好きなカワップ(串焼羊肉)も食べられずで、数日間、缶詰で飢えをしのいだ記憶があります。

 それ以来、保健局の指導で、食堂では食器の煮沸消毒や割り箸が義務付けられました。
 行政指導のキャンペーンは一時だけですから、割り箸は漸次一般化しましたが、面倒臭い食器の煮沸消毒はしなくなりました。

 15年位前、知り合いの日本語ガイドから頼まれて、ウイグル語から日本語に訳した、ツアー客用カシュガル案内に、「食事はホテルで、もしくは、必ずガイドに相談して下さい。バザールではガイドに相談無く飲食しないで下さい。ミネラルウオーターはガイドが用意します」などとありましたから、行政も外国人ツアー客が病気感染して問題になることを危惧しているのが分かりました。

 現在でも、感染して病気が蔓延するのが当然のような衛生状態ですから、環境問題同様に行政の積極的な指導と住民の意識改革が最重要です。



写真1: 部屋に通されると手を洗うように促される。手を振って滴を散らすのは厳禁
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写真2: 白壁のスローガン(注:写真の文言は肝炎撲滅スローガンではない)
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写真3: 名物のカワップ(串焼羊肉)。かつて肝炎流行のため数日間食べられなかった
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江上鶴也
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by oghuzkahan | 2007-01-31 19:59
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