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…… アッサラームアレイコム ……

اَلسَّلامُ عَلَيْكُمْ

アッサラームアレイコム
 (あなたに平安を)


 ウイグルの挨拶は、ムスリム(イスラーム教徒)共通の、「アッサラームアレイコム」 か、
 英語表現 の Hello! How are you? の意味に近い 「ヤクシムシズ? カンダックアフワリンギズ?」 が一般的です。

 相手が知り合いでしたら、「お仕事は順調ですか。お家の方もお元気ですか」 などと、日本と同じような言葉が続きます。

 男性同士の場合は握手(元々、イスラームの習慣であったものが世界中に広まったとされる)、女性同士では互いに左右の頬を付け合う、異性との挨拶は軽い会釈、又は単に挨拶言葉を交わすだけです。

 日本の挨拶は、相手によって表現は様々ですが、お辞儀をしながら 「おはようございます。お寒いですね」 などのように、朝昼晩で違った表現をし、その後、時候と続くのが一般的でしょうか。

 単に挨拶行為である握手と儀礼の基本であるお辞儀とでは、人との交わり方も違っているはずです。
 生まれ育った環境から、挨拶時に握手をするかお辞儀をするかでは、人生や社会の成り立ちさえにも影響するかも知れないと考えるのは超飛躍過ぎでしょうか。

 言葉を交わすことを前提とした挨拶でしたら、「相手との距離を置き」 かしこまって他人行儀に見える日本式お辞儀より、「相手との距離を縮め」 間近に寄って相手の顔を見ながら、誰にでも平等で積極的に親しみを感じようとするような仕草の握手の方が、適当な気がします。

 かつて、「経済は一流、政治は三流」 と言われた日本ですが、日本が世界に冠たる技術立国・経済大国となったのも、政治面などで日本が国際標準に達していないのも、頑固で自他共に厳しく、相手との距離を一定に保つかのような仕草のお辞儀をするからでしょうか。

 カシュガルで当たり前のように握手をしながら挨拶を交わしていたのが、帰国した途端、お辞儀挨拶に変わります。

 お辞儀や敬語が美しい日本人のあるべき姿であるかのようですから、未だ、日本社会はフランクに握手挨拶できる土壌はありませんが、将来、外国系日本人の比率が増せば、私が思う日本社会になっていくかも知れません。

 日本の畳部屋でする正座しての挨拶は、ムスリムが礼拝時にアッラーへの忠誠を表す平伏に似たような仕草なのですが、ムスリムは人に対しては頭を床に着けるような仕草はしません。

 また、お客は挨拶時に帽子などの被り物を取りませんし、部屋の中でも被ったままです。

 新疆ウイグル自治区内のモスクでは、礼拝時に被り物が無ければ怒られるのですが、日本のモスクでは被り物が無い礼拝者の方が多く、無くても何も言われません。

 イスラーム教でも礼拝時に被り物が要る要らないがありますので、所変われば品変わると良く言ったものです。
 しかし、イスラームの挨拶 「アッサラームアレイコム」 はどこでも同じです。



写真1: アッサラームアレイコム。男性同士は握手
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写真2: アッサラームアレイコム。女性同士は左右の頬を付け合う
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写真3: アッサラームアレイコム。ヒゲ面の私は年配者と思われていた (85年)
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江上鶴也
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by oghuzkahan | 2007-01-25 03:28
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