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…… 茶飲み茶碗 ……

اَلسَّلامُ عَلَيْكُمْ

アッサラームアレイコム
 (あなたに平安を)


 ウイグル家庭では、たまに大勢の来客があります。

 断食明け祭や犠牲祭、結婚、誕生、割礼などの祝い、葬儀や供養等々のイスラーム教にまつわる諸々の行事、また前々回の(10)でご紹介しました、チャイ(親族縁者女性親睦会)や親族食事会等で大勢集まります。

 宴席(主にレストランでの結婚披露宴)の招待状は尽きません。

 私は日本では親類付き合いや友達付き合いの宴席は無いに等しいのですが、翻ってカシュガルでは宴席三昧に閉口するぐらいです。

 誘いを無視することはできない実情もありますし、「親類付き合い」 はウイグル社会の重要なキーワードでもありますから、気が進まなくても出席するようにしています。
 
 宴席で唯一の救いは、イスラーム教戒律で禁じられているアルコール類が出ないことです。
 私はアルコール類を嫌悪していますので、禁じてくださったアッラーに深謝します。


 日本の都市部では結婚披露宴や葬儀では会場に集まり、終われば現地解散する場合が多いのではないでしょうか。
 少子高齢化が進む日本では、親族縁者の集まりといえども、数人しか集まらないこともあるかと思います。
 普段の生活で家に大勢集まるとすれば、子供の誕生会くらいでしょうか。


 さて、宴席で最初に出されるのはお茶です。
 レストランではグラスですが、一般家庭では茶飲み茶碗に汲みます。

 茶飲み茶碗は大きめですので、お茶だけではなく、スープ、ご飯、ヨーグルトなどをよそったりもします。

 因みに、お茶は年中、熱いものが出ます。
 暑いからと言って、冷たいお茶は出ませんが、店売りのペットボトル飲料は冷えたものが売れます。
 
 妻宅には60個ほど茶飲み茶碗があります。
 その内の24個は、2005年8月に息子が割礼をしましたので、割礼祝いの 「日の出前礼拝後の振る舞い」 に要るからと買い足しました。

 購入前、底に英語表記でチェコスロバキアとありましたので、チェコとスロバキアに分離(93年)する前に、はるばる中央アジアを通って輸入されたのだろうかと、ラクダならぬトラックの隊商を想像していますと、妻が 「偽物の中国製に決まっているじゃないの」 と言下に打ち消してしまいました。

 一見、取っ手の無いティーカップのような形をしており、従来の景徳鎮製とは違った斬新なデザインですので、東欧(コピー?)の趣があるように感じました。

 デザインと値段(1個6.5元=約100円)で購入を決めました。
 1個6.5元に落ち着くまでには、恒例の店主と妻との丁々発止と激しいバトルがありました。

 ウイグルが輝いて見えるのは、礼拝、値段交渉、宴席での踊り、羊骨付き肉を頬張る時などでしょうか。

 昨年8月に妻の母親が亡くなり、死後40日までの毎週木曜日に催す 「追善供養の振る舞い」 では、茶飲み茶碗が足りずにご近所から借り受けました。

 茶飲み茶碗の利用として、高台で包丁替わりの 「ウイグルナイフ」 を研磨したり、高台の窪みに注いだ 「オスマ」 と言う植物の葉を搾った液汁を使ってする女性の眉毛化粧時に用いたりします。
  


写真1: 結婚披露宴招待状。左が表側
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写真2: 陶器店の茶飲み茶碗陳列 
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写真3: チェコスロバキア製と表記のある茶飲み茶碗
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江上鶴也
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by oghuzkahan | 2007-01-18 22:21
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