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…… おもてなし ……

اَلسَّلامُ عَلَيْكُمْ

アッサラームアレイコム
 (あなたに平安を)


 ウイグルは早朝であろうが真夜中であろうが、いついかなる時でもお構いなくお客を迎えます。

 お客があれば、最初にチャイ(お茶)とナンでもてなすのがウイグル流です。

 それがために、ナンを欠かすことはあってはならぬことなのですが、たまに切らしている時に不意のお客があったりしますので、昼間ですとナン屋に走りますが、夜間ですとお隣に請うことになります。

 不意の来客があってもウェルカムで普段と変わらない心構えがあると言うか、逆の立場になりうる場合もありますので、お互い様と言うこともあってか、ウイグル特有の寛容さで迎えてくれます。

 カシュガルでは固定電話が普及しており、公衆電話も至る所にありますし、携帯電話を持っている人も多いのですが、事前に訪問の知らせをしないのが普通です。

 最近は、大した用事が無ければ電話で済ます場合もあるようですが、大した用事が無くても訪ねてはお茶を飲み世間話に花を咲かせるのが話し好きなウイグルの愉しみ方の一つです。

 日本人的常識や時間観念は通用せず、事前に訪問の知らせがあったとしても、時間通りは滅多に無い上に来ないことさえありますので、時間厳守を説くには時期尚早です。

 ただし、断食月や1日5回の礼拝などの宗教戒律は時間厳守されています。


 ウイグルの大らかで懐深いアバウトさが氾濫するカシュガルのウイグル家庭生活にどっぷりと浸かっていますと、私から見てどうでも良いと思われる事柄にさえも、必要以上に神経を使かっているかのような日本社会が奇異に思えます。

 カシュガル好きな日本からのリピーター旅行者でも、チャイとナンの素朴なおもてなしに感激したことで満足してしまい、今まで持っていた価値観を見直してしまうほどの強烈な精神的おもてなしを享受することなく帰路に就かれるようです。

 カシュガルは奥深く容易にはベールの下を覗かせてはくれません。

 衝撃的なおもてなしを受けられたとしても、電車やバスが数分遅れただけでイライラとしていたのが、「今日中に来たら良いじゃないか、ドンマイドンマイ」のような度量(=鈍感力?)の持ち主になれるかどうかは補償できません。



写真1: チャイとナンはおもてなしの基本
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写真2: ナンを買う。手前の円盤形ナン(アク・ナン)は大が1.5元、小が1元(15円)
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写真3: おもてなしを受ける。妻親戚宅居間
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江上鶴也
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by oghuzkahan | 2007-01-14 18:45
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