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…… 薬  茶 ……

اَلسَّلامُ عَلَيْكُمْ

アッサラームアレイコム
 (あなたに平安を)


 5年程前、京都のある名刹からだったか、ウイグルのお茶作法についてのお問い合わせがあったのですが、軽々にもウイグルには特別な作法もお茶菓子もないと回答したことがありました。

 ウイグルは古来より、ウイグル本草学を基に乾燥薬草をお茶代わりにしたり、お茶に加えたりして、家庭で手軽にできる病気治癒や健康促進のためにと飲用しています。

 ただし、健康促進のための飲用であっても、季節によって薬草の種類や量が異なったり、持病等があれば薬草の制限などもあるとのことです。
 また、容量を間違えると逆効果になるため、飲用量には十分注意をするようにとのことです。

 102歳で他界したという妻の母方祖母は、日頃、薬茶を愛飲していたとのことです。

 カシュガルから南東約500㎞に位置するホータン地区の特産薬草を、日本で輸入販売している会社の効能書きに、「人口10万人当たり100歳以上の比率が世界で4番目に多く、ホータンは世界長寿郷の一つである」 とあり、長寿の秘訣が販売している特定の薬草であるとしています。

 最近もブドウが長寿の秘薬らしいとの報告がありました。
 ある成分が健康に良い効果があることは分かりますが、特定の食物を摂取するだけで長寿になるとは考えられません。

 個人や社会が常に健康や福祉を考えており、全ての面に対して十分な保証や対応がされているような、生活全般に渡ってレベルが高い社会であれば長寿社会は実現すると考えます。

 そんなことから、シルクロードの人々が長寿とは到底考えられません。
 ホータンに100歳を超えたウイグルがそう何人もいるというのは信じ難いです。

 薬草が病気治癒や健康促進に貢献していることは疑いの余地はありませんが、ホータンが長寿郷とするには、大いに疑問があります。

 政府機関で住民の正確な生年月日が把握されるのは、文化大革命終了以後の70年代末からだと思いますので、年齢自己申告は当てになりません。

 また、食生活や気候風土からウイグルは実年齢よりもかなり老けて見えるのが普通です。

 骨年齢検査など科学・医学的に検査をすれば、ホータンが長寿郷であるか否かが証明されますので、私の疑問は払拭されます。

 科学的調査により、世界の長寿郷地図が塗り替えられるかも知れません。
 
 10年程前、「世界お茶会議(フェスティバル?)」 が韓国で開催されましたが、開催数日前に参加すると言うウイグル女性と北京・中央民族大学で歓談した際、北京在住のホータン出身ウイグル男女2人が参加し、ホータンのお茶事情を紹介するとのことでした。
 きっと、ウイグル薬茶と長寿について発表されたのでしょう。

 ウイグルは常日頃、薬茶を飲用していますので、いつか薬茶が長寿に繋がると証明されれば、世界中の耳目を集めることになるでしょうが、本当の100歳以上探しが先決です。
 


写真1: 薬茶について書かれた本
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写真2: ウイグル薬種店(セクセンハルタ)。 大バザール内
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写真3: 絨毯の絵柄。お茶を淹れる婦人
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江上鶴也
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by oghuzkahan | 2006-12-16 23:46
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